「装甲騎兵ボトムズ」ATM-09-STスコープドッグ


 「装甲騎兵ボトムズ」1983は「機動戦士ガンダム」が開拓したリアルロボット路線を受けて制作された、タカラをスポンサーとする「太陽の牙ダグラム」に続くリアル戦場もののTVアニメシリーズである。

 スタッフも監督の高橋良輔、メカデザインの大河原邦男など、ダグラムと同様な布陣。


 アストラギウス銀河ではギルガメスとバララントの百年におよぶ戦争が終結しようとしていた。友軍の基地を襲撃するという不可解な作戦行動時、キリコはカプセルに入った美女と会う。

 恒星間戦争が終わった世界でキリコはATを駆り、パーフェクトソルジャーの秘密やギルガメス軍とバララント軍、そして「結社」に翻弄されながら、アストラギウス銀河全体に関わる大きな謎へと関わっていく。

 舞台やその時々のキリコの目的は大きく変わり、あらすじにするのが難しい話である。

ボトムズとは


 良くある勘違いとして、ボトムズの主役メカの名前が「ボトムズ」だというものがある。

 ボトムズとは「最低の奴ら」という意味で、ボトムズ世界のロボット「装甲騎兵(アーマードトルーパー以後AT)」に乗るパイロット達を指す。

 あるいはATの正式名称Vertical One-man Tank for Offence & Maneuver(V.O.T.O.M)の複数形である。

 一般に目にするボトムズの主役メカの名前はスコープドッグだ。主人公のキリコが一番「慣れている」ので良く乗るという以外の意味はない。

 ちなみに、AT操縦者をボトムズ乗りと言ったり、ボトムズという単語は単数形として使われることも多い。

 アーマードトルーパーという言葉は、本編ではほとんど使われない。


イメージできる大きさの乗用ロボット


 ATの全高4メートル前後というその大きさは、内部機構や動作含めて完全にイメージできる大きさといえる。

 コックピットに乗り込むことを考えても、つま先を足場に、膝の足掛けに乗り、腹部の手すりを掴みつつ腰のアーマーの足掛けを使って、コックピットに入るという一連の動作を想像できる。

 装備も、おおよそ人間の二倍の大きさなので、容易に想像できる。

 もう少し端的な言い方をすると「作れそうだ」ということだ。


参考:根性試しに作ってる。榊原機械 ランドウォーカー


 全高10mとなるともう歩くところがうまくイメージできないし、どうやって作っていいかも良く判らない。

 4m前後となると既に現実に形が作れ、動かすこともできるレベルなのだ。18mのガンダムとは、リアリティの度合いが段違いと言える。ギリギリ6m弱のパトレイバーが、理解可能な巨大さの上限かと思う。

 日本は大仏という巨大な人物像がわりとあちこちにあるヘンな国だが、それらは動くわけではないので建造物という範疇でしかイメージできない。

 超時空要塞マクロスバルキリーは航空機にリアリティを求めたのだが、そもそも航空機は一般人が想像できる範疇にはない。

 ATは誰もが目にする車両のリアリティを求めた、と言えるだろう。


ミッションディスク


 非常にメカニカルな印象の強いスコープドッグだが、コンピュータも搭載されており、音声認識による操作や、ミッションディスクと呼ばれるデータによる基本動作のカスタマイズが可能となっている。

 劇中でも、強敵であるパーフェクトソルジャーに対して、ミッションディスクをカスタマイズする描写(15話)が見られる。

 またミッションディスクのプログラムによって、自動操縦も可能である(11話)


量産の名機スコープドッグ


 スコープドッグゴルゴ13の愛銃がM16であるのと同様に、そのキャラを象徴するメカではあっても他のキャラも使う大量生産品の一つでしかない。

 ロボットアニメ的には、ザクを主役メカにしたというと分かりやすいかもしれない。デザイン的にもカーキグリーンの機体色や肩アーマーにザクからの流れを見ることができる。

 そして主役であるキリコは敵のATを奪って戦うことも多く、登場するATの大半の機種には乗っているかと思われる。

 逆にATに乗らない状態も多く、ほぼATが動かない回もかなりある。


 ATの装甲は人間の持つ拳銃やマシンガンでやられることはまずない(ということはやられることもある)が、ライフルだとちょっと危なく、携行ロケット弾だとかなり確実に破壊される。

 戦車を下回る装甲の薄さが特徴的で、装甲と言うより砂利やどろよけに近く、丸っきりスーパーロボット感はない。

 実際本編終了後に制作された外伝機甲猟兵メロウリンクでは、ATに対してライフルで対抗する兵士(機甲猟兵)が主人公である。

 要するに生身の人間でも対抗できなくもない、というレベルの兵器なのだ。


 ATは、駆動装置であるマッスルシリンダー内にポリマーリンゲル(PR)液が充填されている。

 PR液は駆動のための化学物質兼燃料および潤滑油という、オイルと燃料が兼ねられている2ストの混合燃料みたいな液体。

 そのためATは全身が燃料タンクと言え、ガソリン袋が歩いているようなものだ。

 それ故ATは「(自働火葬装置付き)鉄の棺桶」とも呼ばれ、撃たれると派手に爆発してしまう。

 長期戦闘用にPR液を供給するタンクをバックパックにする装備もあるが、これなどガソリン背中に背負って戦っているようなもんなので、超危ない。

 一度PR液が流出すると、転けた時に床に接触して火花が散った、みたいなちょっとした事でも爆発が起きて、アニメの絵的に非常に派手だ。


 酸素ボンベなどの生命維持装置はATではなく搭乗者のスーツにある。

 本編の描写を見る限り多くのATは自動車程度の気密性で、気密性が必要な場合は防護服や宇宙服を着る必要があると考えて良さそうだ。

 他にも、映像は計器類も含めコックピット内壁ではなくパイロットのゴーグルに投影されるなど、AT本体の機構は極力簡略化されている。

 このゴーグルのシステムは、今で言う拡張現実(AR)の手法であり、そのアイディアの先進性には唸らされる。

 これは作画的にも、コックピット内を描写する際に、外の景色を描く必要がないという省力化の効果がある。

 というかそれが主な設定理由かと思うが、ローラーダッシュと同様に、結果的には世界にリアリティを与えている。


ごちゃ混ぜの世界観


 世界観としてはマッドマックス2ブレードランナー地獄の黙示録ランボーアラビアのロレンススターウォーズエイリアン2001年宇宙の旅デューン 砂の惑星とにかく流行したSFと戦場映画をぶち込むだけぶち込んだというもの。


 しかし下手は真似て上手は盗むのだ、そう、ボトムズではそれらの要素は借り物ではなく、きちんとその世界のものとして成立させている。

 映画のアイディアにロボットを加えたらどうなるのか、という発想で作られたんじゃないかと思う。

 そのため、ボトムズではロボットがどのように運用されるかのバリエーションを大量に作ることとなった。


 その中でも特に出色なのが剣闘士のロボット版、バトリング(4話)の発明だ。

 バトリングに登場する個人(あるいはチーム)で所有するロボットは様々なカスタマイズが加えられ、プラモデルの改造やTV版以降の作品に豊かなバリエーションを生み出した。


デュアルモデル第二弾


 タカラ発行のデュアルマガジンでダグラムのエンディングをジオラマで再現するという企画があった。

 ダグラムのエンディングは朽ち果ててしゃがみ込んだダグラムという、非常に印象的な絵が使われていた。

 さて、そのとき問題となったのは、腰の装甲プレートだ。ダグラムの腰はガンダムを踏襲した箱形のもので可動範囲は狭く、とてもではないがエンディングのようにしゃがむことなどできなかった。

 そこで取られたのは、ある一定角度からのみ成立するそのポーズ専用の腰を作るということだ。不可能だと思われたダグラムのエンディングのジオラマ化、この企画は大きな反響を呼ぶことになる。

 ここで確認されたのは、受け手からは自由にポーズをとれるロボットが要求されていること、作り手がそれを供給できていないことだ。


 タカラはすぐにこの要求に応えることにした、すなわち自由なポーズが取れるデザインのロボットおよび、その玩具化だ。

 ボトムズではその答えとして腰の周りの装甲を分割し可動するようにしたのだ。単純に可動する部分が増えれば、玩具は作りにくくなるし壊れやすくもなる。

 そして当然開発と(アニメ作画も含め)制作のコストがかさむ。この可動装甲は、デザイナーよりもスポンサーであるタカラの大英断であったと言える。

 そして、ボトムズのエンディングでもしゃがんだロボットという絵は踏襲されており、もちろん腰の可動には矛盾がない!!

 地面に近くコックピットを持ってくる場合、通常スコープドッグは体育座りではなく逆方向の降着ポーズを取るので、あのエンディングはもう「ダグラムよりすごいでしょ!」と言いたいがための絵であると言える。

 分割された腰の装甲板は、瞬く間にアニメのロボットデザインのスタンダードとなった。


 ボトムズはタカラのデュアルモデルシリーズ第二弾としての役割を持っていた番組でもある。

 デュアルモデルとは、装甲を取り外しフレーム状態にすることができる玩具で、実にリアルかつ素晴らしいプロポーションは子供無視の「大人のための玩具」と言っても過言ではない。歴史に残る名玩具である。


 さて、本稿のスコープドッグのデュアルモデルだが、実際はコックピット再現はなされたものの装甲は取り外せない。

 単体の玩具としてのデキはともかく、デュアルモデルと言っていいのかどうかも微妙なものであった。

 ちなみに、装甲を完全にパージできるデュアルモデルはメダロットで復活した。

 しかし、ATのデザインはデュアルモデルを前提にして描かれたものであり、このタカラの要請なしには成立しなかったデザインであるのも確かだ。

 また装甲取り外しはできなかったものの、コックピットの再現や降着ポーズを含む可動範囲の大きさ、さらに豊富なオプション兵器の着脱が可能で、カスタマイズ魂を刺激するこれもまた名玩具と言えるものに仕上がっている。



ケレン味のある装備


 ATが単に地味なメカであれば人気は出なかったろう。

 しかし、ATには非常に強い「メカ的ケレン味」がある。


 ATの胴体はコックピットなのでがらんどうで強度的にかなり不安だ。特に、コックピットの横に付いている肩が脆すぎる(簡単にもげる)だろう。

 コレでは、「胸ががらんどう」とか言ってZガンダムを笑うわけにはいかない。

 だいたい、戦車と比べて装甲も薄ければ、車高も高いATの存在理由自体が、かなり薄いと言わざるをえない。

 だがいいのだ、論理的リアルよりも演出的リアルを取ったからこそATは格好良いし、リアルだと感じることができる。


アームパンチ


 内蔵のアームパンチは火薬によって拳をスライドさせて敵に打込む打撃武器。言ってしまえば飛ばないロケットパンチだ。パンチを打つと腕から薬莢が排出されるのが格好良い。

 これをさらに強化して杭状の金属を打ち出すパイルバンカー(これはスコープドッグの装備ではない)は「男の武器」として、ドリルではリアルさに難がある場合に使われるハッタリ兵器として絶大な人気を誇っている。


 ロボットの体の中で最も繊細である拳を打ち付けるアームパンチが、リアルなわけもない(ちなみに、拳ではなく掌底を打ち付けるシーンもある)

 拳で殴りつけると破損してしまうガサラキタクティカルアーマーメタルフェイクは、ちょっとリアルに寄り過ぎた面がある。


 ちなみに、ちょいちょいキリコはATの腕を担いで持ち運んでいる。ポリマーリンゲル液が抜けているとしても軽すぎる。

 だいたいスコープドッグの重量は6.6トンある。腕だけそこまで軽い理由がない。

 たぶん、あれはシナリオだかコンテだかは分からないが、制作のミスだろう。


ローラーダッシュ


 足の裏の車輪を回転させて滑るように移動するローラーダッシュは、同じく大河原邦男デザインであるヤッターワン(タイムボカンシリーズ ヤッターマン)と同様に作画枚数を減らすためというのが一番大きな採用理由だろう。

 しかしローラースケートのように走るロボットは、スピーディーな戦闘シーンを作り出すことに成功した。


 さらにターンピックという地面に打ち込む杭のアイディアが秀逸で、打ち込んだ杭を軸として超信地旋回並の小回りの高さと、それ以上の旋回スピードを両立させた。

 ターンピックを使って旋回しながら周囲の敵を掃射するという動きを見せ(3、11話)、旋回とアームパンチを組み合わせてよりパンチの威力を高めるという技も見せている(4話)し、旋回によって銃弾を回避する場面(14話)もみられる。

降着ポーズ


 また面白いのが、降着ポーズと呼ばれる、足(特に股関節)を人間では不可能な角度で折り畳むポーズだ。

 基本的には、乗り降りを楽にするための姿勢であリ、運搬・格納時の姿勢を低くする役割ももつ。

 人ではありえない方向に関節が曲がるのが、機械っぽさ丸だしで素晴らしい。

 たびたび行われる降下作戦では、着地のショック吸収するために降着ポーズが繰り返し使われ、迫り来る機械軍団の不気味さを一層高めている。

換装可能なバックパック


 背中のバックパックは交換可能で、宇宙用装備のラウンドムーバーやパラシュートザック、長期行軍用ミッションパックなど、シチュエーションによって換装される。

 パックパックはガンダムのランドセルから進化し、着脱可能になったダグラムのターボザックのアイディアを、より汎用化させたもので、後年ではレイズナーでも換装可能なパックパック採用されているが、ATほどは活用されていない。

豊富なオプション


 その他、手持ち武器のバリエーションも多く、腰にもフロートやミサイルを装着できるラッチがあり、降着状態で装着するドッグキャリアーも局地用にバリエーションがある。

 前述のバックパックと合わせ、組み合わせは無限大だ。


 そして武器のハリネズミといった印象のレッドショルダーカスタムの重装備を再現できるタカラデュアルモデル。

 リアルとかどうとかを別にしても、純粋に玩具として面白いのである。

飛び回るAT


 宇宙でのATは、バックパックにラウンドムーバーを装備する。

 これはガンダムに登場するノーマルスーツの宇宙機動用装備のロボットへの応用である。

 ATを宇宙でまで使うのは汎用性が高すぎるかとも思えるが、この装備は小惑星、あるいは宇宙船へと乗り込むためだけの装備と考えられる。

 前述の通り、生命維持装置はパイロットスーツ側にあるので、AT側の真空・無重力対応は最小限で事足りている。


 ただこのラウンドムーバーは相当高出力で、サンサ星の重力が軽いのかもしれないがATが空を飛ぶシーンもあり(32話)空中戦までこなしている。

 ガンダムよりよほど飛んでるのだが、ほとんど印象としては残っていない。

 また、クメン編ではヘリにぶら下がって輸送されるシーンも頻繁に見られる。これはダグラムからのアイディア転用だ。

 他にも、クメン編後半ではフラインクプラットホームに乗って斜面を飛んでくるATを多く見ることができる。

 その他、飛ぶと言っていいのか微妙だが、AT用のホバークラフトも存在する。


 しかし、ファンの間でも「ATは飛ばないもの」という共通認識ができていると言ってよい。

 あくまでもATは車両の延長である、ということだろう。

 びゅんびゅんモビルスーツが飛び回るようになったガンダムの続編に比べ、ボトムズのATは逆にどんどん飛ばなくなっている。

ATのその後


 小説ベルゼルガ物語で描かれた藤田一己デザインのテスタロッサは、丸っきり世界観を無視したと言っても過言ではないほどの思い切ったデザインのATであったが、まちがいなく格好よかった。

 その細身のシルエットのATというアイディアは、コードギアスナイトメアフレームで結実する。

 ただ、ATはボトムズ世界内では完成されたマシンのようで、その後に作られた30年後の世界でもスコープドッグは現役であり、他のATのシルエットもそれほど大きな変化はない。



ロボットの演出としてのボトムズ

乗用ロボットで物語を作る際に問題となるのが、搭乗者とロボットを一画面に納める事の困難さがある。

搭乗者が見えなくなるからといって、リアルロボットの顔やポーズに表情を付けるわけにもいかない。

この問題を、ATのサイズが小さめである事もあり、ボトムズではかなり解決されている。

ターレットスコープ


 スコープドックの名前の由来ともなっている、ターレット式三連カメラ(ターレットスコープ、ターレットレンズ)が無機質なロボットに表情を与えている。

 これは機動戦士ガンダムジオン軍モビルスーツに使われたモノアイの進化系だ。

 このカメラの移動やズーム、回転してレンズを入れ替える動作は、印象的なオープニングでも勿論、本編でも様々な演出に効果的に使われている。

バイザー


 頭部のカメラが付いたバイザーを開けると操縦者の顔が覗く。

 演出上はメカ→キャラの展開を容易にする発明であり、このバイザーは簡単に破壊されたり開いたりして搭乗者が露出する。

 バイザーを開けたまま肉眼により戦闘を行うこともできる。

 これは後にパトレイバーなどにも取り入れられたギミックであり、前述のヤッターワンにコックピットがなく、取っ手に捕まって走るのと同じ作劇上の要請から作られたギミックであろう。

 そしてコックピットむき出しのライドバックがもっとも先鋭的にこのギミックを押し進めたものといえるかもしれない。

 とにかく巨大ロボットはキャラクタを描くのが難しいが、ボトムズはATの全高4mというサイズとバイザーによって。キャラクタ心理を上手く演出することに成功した。

ハッチ


 また、スコープドッグは窓であるバイザーを開ける場合と、扉であるコックピットハッチを開けることによる緊張感の使い分けという演出を行なっている。

 体全体をさらけ出すハッチオープンは、戦闘が終わって仲間と談笑するシーンでは開放感を、敵(主にイプシロン)に向けてハッチをオープンするキリコは逆に弱点をさらけ出した緊張感を見事に演出している。


 さらに面白いのは、パイロットのヘルメットのゴーグルを取ることにより顔が見える、あるいは隠れて見えないということが見事に演出に生かされている。

 この三段式の見え隠れ演出が、ドラマに深みを与えている。同じことを巨大ロボットでやるのはかなり難しい。

 例えばガンダムがグフのコックピットを切り、グフのヒートサーベルでガンダムのコックピットが切られて互いにパイロットが露出するが、そんな特殊な状況は作品全体で何度も出せるものでない。

 巨大ロボのコックピットがむき出しになりパイロットが外に出るというのは、無茶なシーンだからこそ印象に残るが、それだけに決めのシーンでしか使えないというジレンマも持つ。


まとめ


 スコープドッグは、戦闘用の乗用ロボットに関してのリアリティを追求し、関節の可動や武装のようなハードウェア、およびミッションディスクやARゴーグルなのソフトウェア、さらに運用面や世界での許容のされかたも含めて、非常に先進的なアイディアを持った名機である。

 登場から30年経った今でもボトムズが「最もリアルなロボットアニメ」と言われていることからも、その先進性が分かるだろう。

 しかしそれだけ長く愛され、今後も愛されるであろう理由は、リアルだけではなく理屈抜きに格好良い仕掛けがふんだんに組み込まれていたことにあった、と言える。