任天堂は複雑なコントローラを反省している

 2000年前後、ファミコンリバイバルブームがあり、中古ゲームショップでファミコンソフトの売り上げが伸びた事を受け、ゲームボーイアドバンス用「ファミコンミニ2004-02-14が発売された。
 2000円という安価でソフトを投入すると同時に、ファミコンカラーのSPのハードも発売するという戦略も功を奏し、売り上げランキングの上位に多くのタイトルが登場した。

 このことにより、多くのプレイヤーは「十字キーとボタン2つでいい」と思っているということを(再)認識したと思う。
 しかし、開発者としては「トリガが凄く欲しい」はずだ。
 そこでWiiでは、両者を満足させる「表のAボタン、裏のBトリガ」という思い切った配置転換を行なっている。
 ぱっと見た目、表面のボタンが減るのが、イメージ戦略的にも上手い。

 Wiiコントローラは、A、Bに加え、1、2ボタンや+、-ボタン、HOMEボタンというわけで7つ、結局かなりのボタン数になっているが、一見さほど多くも感じないのは、無意識にTVのリモコンと比べてしまうからだと思う。
 単純にしました!、と散々アナウンスしておきながら、実は相当複雑なコントローラがWiiのコントローラだ。
 任天堂は「複雑だと思われる」のが悪いのであって、「実際に複雑である」のは悪いことではない、と思っているに違いない。騙されるな!(いや、騙されてもいいんだけど、べつに)

 また多く用意したボタンは、新たな操作系を提示すると同時に、従来の操作を捨てる事を避ける、DSと同じ戦略ともいえる。
 DSの場合はタッチスクリーンを提示し、十字キーやLRトリガは切らず、GBAとの互換性を保った上に、XYボタンも追加し、スーパーファミコンからの移植作へ対応しようという意図も見て取れる。
 Wiiの場合は、横持ちした時にファミコンと同じレイアウトになり、オンラインで供給されるファミコンゲームがプレイできるように、という新しい操作と伝統的操作の二面作戦だ。あざとい。
 Wiiの場合、クラシックコントローラも用意するという、かなり分かりやすいインタフェース二面作戦を取っている。