任天堂は子供が一人で遊ぶゲームを反省している

 一人で黙々と遊ぶスタイルがゲームの悪イメージを社会に与えている面を憂慮しているように思え、実際そのような発言を外に出している。
 勿論、家族で遊ぶスタイルを定着させようという企業戦略的な意味合いもあるだろうが、一人遊びに特化する傾向のあった従来のゲームを反省しているのも確かだろう。
「黙々と一人でプレイする子供」は、昔、黙々と一人でプレイする子供であった親にすら怖さを感じさせる絵なのである。いわんやそうでない親をや。をや、をや。

 現在の任天堂がどういう戦略を取っているかというと、これは家族巻き込みだ。「大人がやってもいいゲーム」という方向から攻めているように見える。「子供がせがむからしょうがないよな」という免罪符を与えて、大人にプレイしてもらおうというわけだ。
 また、よく任天堂の欠点として出る子供向けのイメージは、同時に大人に「安心感のある会社」のイメージを抱かせるという利点もあり、買わせやすい。子供向けのソフトの購入を最終的に判断をするのは大人だ。

 それに加え、任天堂にはソフトウェアの蓄積がある。親が遊んだシリーズが、いまも続いているのだ。これを利用しない手はない。パーティーゲームはもちろん、昔と同じタイプのゲームを出せば、親子に共通の話題が生まれるというスンポーで、バンダイのヒーロー戦略と一緒だ。
ゼルダの伝説 風のタクト2002-12-13など、従来は一人用の遊びであったジャンルでも、複数人で遊べるようなソフトが増えてきた。
 さらに「ゼルダの伝説 4つの剣+2004-03-18では、複数人でのプレイの方に重点を置いている。
 これは、友達と遊ぶのももちろんだろうが、「昔ゼルダやったなー」という親と遊ぶことを想定しているように思える。

 ただ、これは携帯ゲームと据え置きゲームでは、かなり異なる。
 携帯ゲーム機は、手帳や本のような、既に定着したイメージに近いので、気持ち悪さが少ないのではないかと思われる。
 ちなみに、私自身はテレビに向かって黙々とゲームしている姿を気持ち悪いという気持ちが分からないので、想像で書いている。
 最近の任天堂などのプロモーションから類推するばかり、というぐらいの世間との乖離が自身にある。全然自慢にならんことですが。
 ちなみにバーチャルボーイは私も気持ち悪い印象がある、というか画面が見れないので強烈な疎外感がある。