任天堂はネットワーク事業の失敗を反省している

ファミリーコンピュータ ネットワークシステム」1988は、キャプテンシステムや「野村ファミコントレード」に対応した、当時としては先進的なシステムであったが、キャプテンシステム自体の頓挫や、子供向けのイメージが災いして信頼性を得られなかったり、パソコンの利便性に負けたり、クローズドなネットワークであったため多様性に欠けたり、と様々な要因で失敗となった。
 ここで任天堂は、家庭の通信回線(電話線)を占有してしまうネットワークには懐疑的になったようだ。

64「ランドネットDD」2000-0264DDに付随するネットワークシステム。
 インターネット接続が可能だが、一応Webページ閲覧可能という程度。また、ゲームとしての展開らしい展開は、ほとんど無かったといえる。

 GCでは標準装備ではないものの、ネットワーク接続のための周辺機器が発売された。
 しかし任天堂のソフトの対応は事実上無く、任天堂のやる気の無さを露呈した。「ファンタシースターオンライン」に力を入れたセガは、とばっちりを受けた格好だし、チュンソフトホームランド」なんかはもう隠れた名作確定だ。
 そもそも任天堂は、GC発売前からやる気を感じさせなかったので、端から「まだネットワークの時代じゃない」と思っていた節はある。「64のネットワークで懲りた」という感じだ。

 任天堂は、少なくともMMOに関しては、相当興味は薄いようだ。
 山内前社長時代から否定的な言動が多く、どーも発言をまとめると「MMOはダメ人間を作る装置」と認識しているようだ。
 そういうことからも、「おいでよ どうぶつの森」ではお友達コードを使って見ず知らずの人が荒らしに来ることを避けたり、「マリオカートDS」ではあえてチャット機能を付けないことで対戦後に殺伐としないようにと、かなりの配慮を見せている。ハッキリと「ユーザーは信用できない」と思っていて、その考えは両ソフトの成功からみて、まったく正しいと言える。
 ネットワークコミュニケーションで発生する負の側面に過剰と言える位の防衛策を講じている事が、今後も吉と出るか凶と出るか、DSとWiiのネットワーク展開に注目したい。