任天堂はメディア対策を反省している

 山内前社長が「勢いで問題発言しちゃう」ところがある人物で、そのパワーがメリットになる事もあればデメリットになる事もあり、有り体にいってコントロール不能であった。
 最近の岩田社長の発言は、かなりコントロールされており、発言の複数人による事前検討がなされていることが、宮本部長も含め、かなり意見が統一されている事から読み取れる。
 その上で、質問にもどんどん答えるというパフォーマンスも行ない、以前初心会で作られていた閉鎖的な雰囲気を払拭するのに力を入れているように見える。

 人の口に戸口は立てられず、憶測による悪い噂が立つ位なら、少し悪い情報でも自分から出した方がまし。という事か。
 現在のウェブも考慮に入れたマーケティングでは、ゲーム業界に限った話ではなく、情報を隠すより上手く出す方に重点が置かれつつある、と考えた方が良さそうだ。
 真実ではなく真実らしい事、の方が重要だったりするかもしれないが、企業としては、ある意味操作しやすくなったわとも言えるだろう。
 とにかく、情報の公開がなかったり遅れたりすると、どんどん悪い噂が一人歩きする時代だということだ。

 以前から、消費者向け情報はスペースワールドなどの体験イベントで積極的に行なっていた任天堂であるが、近年はウェブ上での情報開示に積極的になっている。
 1998年から公開している任天堂オンラインマガジンも、なかなか読みごたえがある。
 ソフトのオンラインカタログも、過不足のない量が提供されていて、非常に見やすい。検索があったらもっといいんだが、長くブラウズさせるための、やらしい作りなんだろうな、これは。

 ちなみに、「MOTHER3」の情報が「ほぼ日刊イトイ新聞」を中心に露出されたのが、結構謎だ。
 話題性として、任天堂のサイト本体よりもあると判断されたのか、にしてもまずは本体ありきのような気もする。「作家で売っていくゲームのテストケース」とも思えるが、「ほぼ日刊イトイ新聞」は相当特殊なサイトであり、他のパターンに活かせそうな気がしない。あとで反省材料になりそうな気がしないでもない。

参考:山内語録
参考:ホコタテブログ: 任天堂スペースワールドの歴史
参考:任天堂株式会社 経営方針説明会 質疑応答