のびる手

 遠距離のものをつかんで引き寄せる能力、というのは昔から子供の好きな能力の上位にあるのではないかと思う。
「ゴームズ(ファンタスティックフォー)」や「ワンピース」を引き合いに出すまでもないと思う。
 マジンガーZロケットパンチや、ジオングサイコミュなんかも、この流れと思っていいだろう。
 玩具としても「ウルトラハンド」「マジックハンド」なんかは、定番商品だ。

 なんで「手が伸びる」という能力をこうも魅力的に感じるのかは、良くはわからないが、当然ゲームでもこういう能力はちょいちょい出てくる。
悪魔城ドラキュラ」シリーズの鞭は、攻撃だけでなく、なにかに引っ掛けてぶら下がるという力がある。
 似たようなもので「メトロイド」シリーズのグラップリングビームなんかがある。「海腹川背」がこの手のぶら下がり系ワイヤーアクションの代表的なものだ。

ゼルダの伝説」シリーズは顕著で、かなり多くのアイテムが、遠くのものを引き寄せる能力を持っている。ブーメランやフックショットが主なものだが、剣で届くとアイテムが取れる、なんてのも地味だがこの能力の一種だ。

 格闘ゲームでは「ストリートファイターII」のダルシムなんかは忘れちゃいけない、手が伸びるキャラの代表だ。ただ、攻撃にしか使わないという意味では、バリエーションの少ないキャラではある。一応「ヴァンパイア」アナカリス、「餓狼伝説」山崎も上げておく。鞭キャラと合わせて、キャラのバリエーションに困ったら、出てくる感もある。

 シューティングゲームでものびる手系統の装備は多く、「グラディウス」オプションは追尾するので微妙に違う感じもあるが「R-TYPE」のフォースなんかは、かなり伸びる手的だし、多くの固定型のオプションは伸びる手的だ。一応「アルティメットエコロジー」「グレートラグタイムショー」「アインハンダー」なんか上げておく。

 磁石や掃除機のような吸い寄せるアイテムも、伸びる手の一種と考えても良さそうだ。

 ゲームのアイディアの一つとして定番と言えるだろう。楽しくて能力が広がった感の強いシステムだ。
 誰でも、「手が伸びたら便利だな」と思ったことがあるだろうから、一般性は高いし、理解しやすいんだろう。

 特にオチはない。