初音ミクが不気味の谷を軽やかに越えたわけ

 それは既に、声という分野は人間側から不気味の谷に踏み込んでいたから、なんじゃないか。


不気味の谷」現象というやつがある。3Dのキャラクタや人形(ロボット)のクオリティが高まり人に近づく程親しみがわいてくるが、有る一線を越えると、リアルで人間に近いはずなのに不気味に感じてしまう、というやつ。
 これ声でだって起きるはずだと思うんだけど、「初音ミク」の感想ではあまり聞かない。クオリティ的には時々完全に人間と区別つかないぐらいに近いのに。
 どうも理由は、アニメ声優の声がそもそも「作られたもの」だったせいじゃないかなぁ。
 所謂アニメ声というやつは、慣れないうちは正直なところ気持ち悪い。これは「人間側から不気味の谷に踏み込んだ」状態。でも、慣れちゃった。それに、声にエフェクトをかけて機械っぽくする手法も特にアニメでは多用されるけど、これまた人間側から不気味の谷に踏み込んでる。
 でまー、そんな作られ加工された声にも慣れてしまって心地よくなっちゃったりするわけなんだ。
 初音ミクは不気味なはずなんだけど、全然不気味じゃない、作られた声である声優の声がソースになってることがまた、境界を曖昧にして受け入れやすくなってんだろうなぁ。


 つまり、外見も人間側から近づけば、不気味の谷問題は解決するよ!!鈴木そのこさんがもっと長生きしてたらと悔やまれます。半ば本気で。
 と、思いつきを書いてみた。

「VOCALOID」初音ミク - 鳶嶋工房ゲームザッキ